プログラミングスクールの無料体験では何を確認すべき?7つのポイントやメリット、注意点を解説

多くのプログラミングスクールやITスクールは、受講を考える人たちに向けて、無料体験を実施しています。この無料体験を上手に活用することで、優良なスクールかどうか、自分に最適なスクールか否かを判断することができます

具体的には、今回紹介するプログラミングスクールの無料体験で確認すべき7つの項目について、チェックや質問をするのがおすすめです。またこの記事では、プログラミングスクールの無料体験を受けるメリットや注意点についても解説します。

IT未経験からのエンジニア転職に向けて、プログラミングスクールやITスクールを活用しようとお考えの方は、ぜひ以下の内容を参考に、無料体験を有効活用しましょう。

Contents

【確認事項その1】料金体系がわかりやすいか、安いか

出典:PR TIMES「プログラミングスクールに関する意識調査①」

プログラミングスクールの無料体験でまず確認すべきなのは、「料金体系がわかりやすいか」です。

株式会社SAMURAIの調査によると、プログラミングスクールを選ぶポイントとして最も重視されるのは「料金」だという結果が出ています。これをお読みの皆さんも、多かれ少なかれ、コスパを意識されているでしょう。

よって、プログラミングスクールやITスクールでは、料金体系について必ず説明をしてもらってください。そして、料金体系がシンプルであり、価格も比較的リーズナブルなスクールを、受講する候補として残すのがおすすめです。

一方、オプション料金の設定が多かったり、価格が不自然な変動制だったりと、全体でいくらかかるのかわからないようなスクールはあまりおすすめしません。またよほど資金に余裕があるのでない限り、高額すぎるスクールも避けたほうが良いでしょう。

お得な特典がもらえるかもチェック【割引や資料など】

無料体験を受けることで、何か特典やプレゼントがもらえるかもチェックしてみましょう。

料金との関連だと、受講料が半額になる割引クーポンがもらえたり、入学金が無料になったりする特典が魅力的です。そのほか、学習や転職活用に役立つ教材・資料がプレゼントされるスクールも良いでしょう。

【確認事項その2】学習サポート体制が自分に合っているか

出典:PR TIMES「受講したプログラミングスクールを選んだ1番大きな理由を教えてください」

プログラミングスクールやITスクールの無料体験では、「学習サポート体制が自分と合っているか」も確認しましょう。

「学習サポートの質」は、「料金」と並び、プログラミングスクール受講者から重視される項目です。事実、株式会社plusboxの調査では、プログラミングスクールの決め手として「学習サポート体制がマッチした」が第1位に選ばれています。

よって、無料体験では、どのような学習サポートが受けられるのかを詳しく確かめましょう。具体的には、以下のようなサポートが受けられるプログラミングスクールやITスクールがおすすめです。

  • 学習スケジュールの管理:学習計画表の作成や進捗のチェックなど
  • チャットサポート:チャットアプリを用いて担当講師に質問する
  • 週次メンタリング:週に1回、担当講師と面談し、チャットサポートだけでは解消しきれない疑問などについて聞ける

なお、質問の回数に制限はあるか、レスポンスはどのくらい速いか、サポートの営業時間は何時から何時かなど、無料体験ではつっこんだ内容も聞いてみましょう。詳細な質問をすることで、各スクールがどれだけ学習サポートに力を入れているかがよくわかります。

【確認事項その3】授業内容やコース展開などが希望と合っているか

「授業内容やカリキュラム、コース展開、進め方などが希望と合っているか」についても、無料体験でよく確認すべきです。

授業内容やカリキュラムについては、実務に直結することを無駄なく学べるかが重要だといえます。よって、無料体験で「どのように仕事につながりますか」「これはエンジニアとしての活躍に必須ですか」などと質問してみてください。

コース展開については、自分がなりたいエンジニア職種に関する学習ができるかをチェックしましょう。「クラウドエンジニアコース」や「フルスタックエンジニアコース」など、エンジニアの名前がついているコースだと、わかりやすいのでおすすめです。

また授業の進め方に関しては、「自由に予約が取れる」、「教材を使って一人で勉強することもできる」など、スケジュールの柔軟性があるスクールのほうが、多くの方にマッチするでしょう。

【参考】ITエンジニアはインフラ系と開発系に大別できる

プログラミングスクールやITスクールのコース展開と関連することとして、ITエンジニアの種類を知っておきましょう。ITエンジニアは大きく分けると、以下のようにインフラエンジニアと開発系エンジニアに分類できます。

  • インフラ系:ネットワークエンジニア、データベースエンジニア、クラウドエンジニアなど
  • 開発系:プログラマー、システムエンジニア、Webエンジニアなど

インフラエンジニアは、ネットワークやデータベース、サーバなど、ITシステムを支えるIT基盤を構築・保守する職種です。一方、開発系エンジニアは、個別のITシステムを作る仕事を行います。

両者のうち、IT未経験からでも転職しやすいといわれるのは、インフラエンジニアのほうです。インフラエンジニアだと、新人の仕事はマニュアルに沿って行う定型業務から始まるので、IT業界での経験がなくても、無理なく実務に入っていけます。

またインフラエンジニアのほうが開発系に比べてマイナーな職種なので、求人の倍率が低い傾向にある点も魅力です。よって、ITエンジニアになりたい方のうち、職種にこだわらない場合は、ぜひインフラエンジニアを目指してみてください。

【確認事項その4】講師の質が高いか、能力や経験、人柄など

指導を担当する「講師の質」も、プログラミングスクールやITスクールの無料体験でよく確認しておきましょう。

具体的には、講師のエンジニアとしての能力や経験をまずチェックすべきです。「業界で活躍する現役エンジニア講師から学べる」、「エンジニアとして長年の経験がある講師が在籍」といったスクールが望ましいといえます。

また講師の指導力や人柄など、教える人間としての適性も見てみてください。「無料体験の説明がわかりやすい」、「親身になって話してくれる」講師の方がおすすめです。

「現役エンジニアから学べる」スクールが人気!

出典:マイナビニュース「プログラミング独学者の5割超が『現役エンジニア』からの指導を希望」

上記は、キラメックスがプログラミングを独学する者を対象に行なったアンケート調査の結果です。「独学で身につけられない知識について人から教わる場合、誰に教わりたいか」という質問において、「現役エンジニアで、プログラミングの指導歴あり」という講師が最も評価されています。これは実際にプログラミングをある程度学習した人たちの意見なので、とても参考になります。

よって、プログラミングスクールやITスクールの無料体験では、「現役エンジニアから学べるか」、「講師のプログラミング指導歴はどのくらいか」をよく確認するのがおすすめです。現役エンジニアが在籍しており、なおかつ彼らの指導経験が豊富であれば、そこは最良のスクールの一つだといえます。

【確認事項その5】キャリアサポートは充実しているか

「キャリアサポートが充実しているかどうか」も、プログラミングスクールやITスクールの無料体験で必ず確認するのがおすすめです。キャリアサポートの内容や質は、転職成功に大きな影響を与えます

サポートの内容については、以下のようなサービスが用意されているかをチェックしましょう。

  • キャリアカウンセリング:担当のキャリアカウンセラーが転職先の希望条件をヒアリング。そのほか、転職活動の計画や転職相談にも対応。
  • 企業の紹介:ヒアリングの結果をもとに、受講者に合ったIT企業を複数社紹介する。
  • 書類添削:履歴書や職務経歴書の内容をチェック、修正する。
  • 面接対策:応募する企業の傾向を踏まえ、模擬面接などを実施。

サポートの質に関しては、数字を含めて具体的なことを話してくれるかを確認する方法が有効です。例えば「9割以上の方が内定を獲得しています」、「受講者の何割がこれこれの企業に入社しました」など、詳しい内容を説明してもらえるなら、そのスクールは信頼度が高いといえます。

反対に実績がない、数字を示せない、抽象的なことばかりでエピソードが聞けないといったスクールには注意すべきです。

【確認事項その6】IT業界やエンジニア転職に精通している

プログラミングスクールの無料体験では、スクールや担当者が「IT業界やエンジニア転職に精通しているか(専門的な知識やノウハウを十分に持っているか)」も確かめましょう。

この点を確かめるには、前提として無料体験でスクールについてだけでなく、IT業界やエンジニア転職一般について質問・相談ができるところを選ぶ必要があります。そのうえで、気になることを質問してみて、的確な答えが返ってくるかをチェックしてみてください。

なお、そのように質問することは、自らの業界知識や転職活動のノウハウを高めることにもつながります。「自分にIT業界があっているか」、「エンジニア転職の現実と、自らの理想にギャップはないか」などを確かめる良い機会にもなります。そのため、無料体験の際には、スクールに関する事柄にとどまらず、気になることは何でも質問・相談するのがおすすめです。

【確認事項その7】資格対策の質は高いか

「より良い資格試験の対策ができるか」についても、ぜひ確認すべきです。とくにインフラエンジニアを目指す場合は、転職市場で資格が重視される傾向があるので、この点を必ず確かめましょう。

具体的には、どのような対策が実施されるか、どの資格に対応しているか、過去の受講生の合格率はどのくらいかなどをチェックするのがおすすめです。自分の希望する資格について有効な対策ができて、なおかつ合格実績にも優れたプログラミングスクールやITスクールを選ぶのが良いでしょう。

【参考】ITエンジニアにおすすめの資格5選

以下では、未経験からITエンジニアを目指す方におすすめの資格を5種類紹介します。プログラミングスクールやITスクールを選ぶ際は、これらの資格の対策ができるかを確かめてみてください。

ちなみにこれらに対して月額5,000円前後の資格手当を出すIT企業も多いため、取得しておけば年収アップにもつながります

1. LPIC 1(エルピック ワン)

LPICは、Linuxの構築や運用に関する知識・スキルを証明できる資格です。Linuxは日系企業の7割が導入しており、インターネットサーバーの半数以上のシェアを持つといわれています。そのため、インフラエンジニアの実務とも関連が深く、LPICを取得しておくことで、IT人材としての価値を高められます。

なお、LPICにはレベル1〜3の三段階がありますが、初級のレベル1はIT未経験者でも無理なく取得できる難易度です。LPIC 1を持っていれば、「インフラエンジニアとして、何らかの実務を一人で実行できるレベル」であることを示せます。

2. CCNA(シーシーエヌエー)

CCNA­は、ネットワークエンジニアに求められる基本的な知識・スキルを認定する資格です。ネットワーク機器メーカーの世界最大手・シスコシステムズ社が主催しています。

CCNAを取得すれば、「ネットワークエンジニアとして、何らかの実務に一人で携わることができるレベル」である証明になります。よって、ネットワークエンジニアを目指す場合は、積極的にCCNAを取得すべきです。

3. AWS認定(エーダブリューエスにんてい)

AWS認定とは、世界でトップシェアを誇るクラウドサービス・AWS(Amazon Web Service)の知識・スキルを認定する資格です。AWSを使えば、インターネット上でサービスや業務システムなどを開発することができます。

昨今はAWSが日系企業にも普及してきており、AWSの運用・保守ができるインフラエンジニア(クラウドエンジニア)が重宝されます。よって、従来的なITインフラの知識に加え、クラウド知識を身につけるのが最近のトレンドです。

プログラミングスクールでAWSについて学んだら、その成果の証明としてAWS認定にもぜひ挑戦してみると良いでしょう。

4. ITパスポート

ITパスポートは、入門レベルのIT系国家資格です。ITを利活用するすべての社会人・学生を対象にしており、基本的なIT知識を幅広く習得できます。

難易度が低く、IT未経験者でも比較的簡単に取得できるので、最初のステップとしてITパスポートに挑戦するのも良いでしょう。ちなみに新人研修でこの資格を取得させるIT企業もあります。

5. 基本情報技術者

基本情報技術者は、「ITエンジニアの登竜門」といわれるIT系国家資格です。高度IT人材を目指すうえで必要な、基本的なITスキルを証明できます。

入門レベルの資格であるものの、合格率は低めであり、難易度は比較的高いです。よって、未経験転職の前に取得しておけば、学力や学習意欲などの良いアピールになるでしょう。

【メリットを紹介】プログラミングスクールの無料体験は受けるべき!

エンジニア転職に向けてプログラミングスクールやITスクールを活用するなら、ぜひとも無料体験を受けるべきです。以下では、プログラミングスクールの無料体験を利用するメリットを紹介します。

メリット1. IT業界やエンジニア転職について専門的な話を聞ける

プログラミングスクールやITスクールの無料体験は、単にプログラミング学習をお試しするだけの機会ではありません。多くの場合、現役エンジニアやキャリアカウンセラーなどの専門家から、IT業界やエンジニア転職についての貴重な話を聞くことができます。具体的には「スクール卒業後は、どのようなキャリアを歩むことになるのか」、「自分が思い描く仕事をするためにはどういったスキルが必要か」などを質問・相談することが可能です。

IT未経験の場合、業界知識を集めたり、転職活動やその後のキャリアについてイメージを膨らませたりするのが難しいこともあるでしょう。ある程度はインターネットでも調べられますが、ネットに載っていない情報、業界人から聞かないと知られないような情報も当然あります。そうした情報を、プログラミングスクールやITスクールの無料体験では知ることができます。

よって、入念に情報収集をして、より良いエンジニア転職を実現するためにも、スクールの無料体験を有効活用するのがおすすめです。

メリット2. 特典やキャンペーンを使ってお得に受講できる

無料体験を受けた人に対し、限定の特典やキャンペーンを用意するプログラミングスクールも多いです。無料体験を受けたうえで入会すると、受講料が割引になったり、入会金が0円になったりします。

そのため、できるだけ安くプログラミングスクールやITスクールを受講したい方にも、無料体験はおすすめです。

メリット3. 自分に合っているかをより的確に判断できる

プログラミングスクールやITスクールで無料体験を受ければ、そのスクールが自分に合っているかがよりはっきりとわかります。「授業の進度や教え方が自分にとって好ましいか」、「講師やキャリアカウンセラーの人柄は良いか」など、公式サイトには載っていないようなリアルな情報を、無料体験では知ることが可能です。

自分に合ったプログラミングスクールを選ぶかどうかで、学習効果や転職活動の質は大きく変わってきます。ひいてはITエンジニアとして成功できるか否かが、ある程度決まるといっても過言ではありません。

また比較的高額な受講料を投資することにもなるので、無料体験を受けて本当に自分に合っているかを、納得いくまで確かめるのがおすすめです。

プログラミングスクールの無料体験を受ける際の注意点

プログラミングスクールやITスクールの無料体験を受ける際には、以下の事柄に注意してください。これらを押さえることが、自分に合ったスクールを選ぶことにつながります。

特典やキャンペーンだけで選ばない

プログラミングスクールやITスクールの無料体験では、受講者獲得のためにさまざまな特典やキャンペーンが用意されていることも多いです。そうした特典・キャンペーンは魅力的ですが、それだけでスクールを選ぶのは危険だといえます。

プログラミングスクールの良し悪しを決める要素は料金だけではありません。コスパの良さに加え、学習サポート体制や講師の質、転職支援の充実なども重要です。

よって、「今ならキャンペーンで半額になるからここにしよう!」などと勢いで決断するのではなく、総合的にメリット・デメリットを検討したうえで、冷静に受講の是非を決めましょう。特典やキャンペーンは、あくまで副次的なメリットくらいに思っておくのがおすすめです。

一社ではなく複数のスクールで無料体験を受ける

プログラミングスクールやITスクールの無料体験は、一社だけでなく、複数社受けることを推奨します。はじめに選んだところが自分に一番合っているとは限りません。1社目で自分に合っていると感じても、2社目はもっと自分に合う可能性もあります。

よって、気になるいくつかのプログラミングスクールやITスクールで無料体験を受け、比較・検討したうえで一番自分に合っていると思うところに決めるのがおすすめです。

無料体験ですべてがわかるわけではない、口コミ・評判も参考に

プログラミングスクールやITスクールの無料体験は、たくさんの情報を入手できる良い機会ですが、一回の体験ですべてがわかるわけではありません。継続的に受講したり、実際にキャリアサポートを受けたりしてはじめてわかることもあるでしょう。

そのため、場合によってはインターネットの口コミ・評判も参考にするのがおすすめです。そのスクールを卒業して転職された方などの声が聞ければ、良い参考になります。

受講までに準備すべきことも聞いておくのがおすすめ

無料体験の際には、受講までにどのような準備をしておくべきなのかも確かめておきましょう。

ときに学習に用いる機器等(パソコンやOS、マイクなど)についてはよく聞いておくべきです。受講料を支払ってから、「実は自宅の環境では受講できなかった」といった事態にならないように気をつけてください。

また受講前に予習しておくべきことに関しても聞いておくのがおすすめです。予習なし、完全未経験で受講できるスクールも多いですが、予備知識を少し入れておくことで、授業が理解しやすくなります。

気になるプログラミングスクールでさっそく無料体験を受けましょう!

プログラミングスクールやITスクールの無料体験で確認すべき7つのポイントをおさらいしておきましょう。以下をチェックすることで、優良なスクールかどうか、自分に合ったスクールか否かがわかります。

  1. 料金体系のわかりやすさ・特典
  2. 学習サポート体制
  3. 授業内容やコース
  4. 講師の質
  5. キャリアサポートの充実
  6. IT業界やエンジニア転職に関する知見・ノウハウ
  7. 資格対策の質

また無料体験は一社ではなく、複数社で受けるのがおすすめです。いくつかを比べることで、より自分に最適なスクールが見つかります。

以上を踏まえ、気になるスクールの無料体験をさっそく受けてみてください。

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