CCNAには有効期限がある!?取得前に考慮することや更新の必要性は?

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワーク関連機器の大手であるシスコシステムズ社が実施している資格であり、インフラ系エンジニアを目指す方にとって入門的な位置づけの資格として知られています。取得までのハードルの高さに注目されがちですが、このCCNAの試験には有効期限が存在します。そのため「CCNAを取得したとしてもずっと更新の手間が掛かるのか」「更新するために何をしなくてはいけないのか」ど不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、CCNA取得後の有効期限や取得前に考慮するべきこと、更新の必要性について詳しく解説していきます。

CCNA取得後の有効期限を知っておこう!

はじめにCCNAの有効期限の期限と失効するデメリットについて解説します。

CCNAの有効期限は3年間

シスコの公式ページによると、CCNAの有効期限は認定取得日より3年間とされています。

この有効期限はCCNAに限らず、全ての認定試験が対象となります。例えば、認定取得日が2022年12月1日だった場合、有効期限は3年後の2025年12月1日までとなります。

参考:シスコ「再認定ポリシー」

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/recertification-policy.html#~policy-updates

また、ページの「認定サイクル」の項目には下記の記載があります。

「すべての認定の有効期間は認定取得日より3年間となりました。再認定要件が満たされる度に、認定の有効ステータスがその日から3年間延長されます。」

つまり、認定取得後に「再認定要件」を満たせば、その日からまた有効期限が3年間延長されることになります。このような有効期限があることで、資格を更新するために勉強したり、さらに上のレベルの資格試験にチャレンジしたり、ネットワークエンジニアとしての知識向上・スキルアップにつながるメリットがあります。ネットワークの現場に限らずIT業界は現場で使われる技術やサービスの移り変わりが非常に早いのが特徴です。そのため、資格試験を通して最新のITスキルや知識を身につけることはエンジニアとして働く上で非常に大切だといえるでしょう。

失効すると履歴書や職務経歴書に記載できなくなる

CCNAの有効期限内に何も行わなければ、期限が過ぎるのと同時にそのまま失効してしまいます。失効すると、履歴書や職務経歴書に記載できなくなるため、注意が必要です。失効している状態にもかかわらず、履歴書や職務経歴書などに記載してしまうのは、社会人としてふさわしくありません。

また、CCNAの資格に対して「資格手当」を支給している企業も非常に多く、就職・転職が決まってから有効期限が記載されたCCNAの資格取得の証明書の提出を求められることも珍しくありません。提出する際に有効期限が切れていることは発覚した場合、当然のごとく資格手当の支給はなくなります。また、期限が切れているのにもかかわらず、履歴書や職務経歴書に記載したとして社会人としてのモラルを疑問視され、信頼低下にもつながるでしょう。

参画できる現場の選択肢が少なくなる

また、CCNAを失効することにより、参画できる現場の選択肢が少なくなる点もデメリットの一つです。CCNAを保持していることでネットワークに関する基本的な知識やシスコ社のネットワーク機器の操作の知識があることを証明できるため、「ネットワークの運用・保守」「ネットワークの設計・構築」など専門的な知識が求められる現場に参画できる可能性が高くなります。

CCNAの資格や現場での実務経験がなかったとしても「ネットワークの監視」など専門的な知識が求められない現場には参画できますが、CCNAがあることで参画できる現場の数は確実に多くなります。CCNAを取得していることを現場参画の条件としている現場も多く見受けられます。

CCNAの更新方法について知っておこう!

シスコ公式ページに記載されているCCNAの更新方法は下記の5つです。

  • アソシエイトレベル試験の1つに合格する
  • プロフェッショナル コンセントレーション試験の 1 つに合格する
  • テクノロジーコア試験の 1 つに合格する
  • エキスパートレベル筆記試験の 1 つに合格する
  • エキスパートレベルラボ試験または実技試験の 1 つに合格する

参考:シスコ「再認定ポリシー」

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/recertification-policy.html#~policy-updates

この章では、それぞれの更新方法について詳しく解説します。

アソシエイトレベル試験の 1 つに合格する

一つ目の方法は「アソシエイトレベル試験の 1 つに合格する」こと、つまりCCNAをもう一度受験して合格する方法です。一度受けた経験がある試験を再度受けるということで一番手間や負担が少ない方法になります。

CCNAの試験は下記の6つの分野から満遍なく出題されるのが特徴です。

  • ネットワークの基礎(20%)
  • ネットワークアクセス(20%)
  • IPコネクティビティ(25%)
  • IPサービス(10%)
  • セキュリティの基礎(15%)
  • 自動化とプログラマビリティ(10%)

参考:シスコ「CCNA 試験 v1.0(200-301)」

https://www.cisco.com/c/dam/global/ja_jp/training-events/training-certifications/exam-topics/200-301-CCNA.pdf

一度受験した経験があるとはいえ、本番の試験では上記の範囲からランダムで出題されます。そのため、試験範囲全体の再学習が必要になるでしょう。

プロフェッショナル コンセントレーション試験の 1 つに合格する

二つ目の方法は「プロフェショナルコンセントレーション試験の 1 つに合格する」ことです。これはCCNAの上位資格であるCCNP(Cisco Certified Network Professional)の「コンセントレーション試験」を指しています。「コンセントレーション試験」の種類は下記の通りです。

  • 300-410 ENARSI(L3・VPNに関する試験)
  • 300-415 ENSDWI (SDWANに関する試験)
  • 300-420 ENSLD(ネットワークデザインに関する試験)
  • 300-425 ENWLSD(無線LANに関する試験)
  • 300-430 ENWLSI(無線LAN実装に関する試験)
  • 300-435 ENAUTO(ネットワークの自動化に特化した試験)

参考:シスコ「CCNP Enterprise 認定とトレーニングプログラム」

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/professional/ccnp-enterprise.html

基本的には、CCNAの応用的な内容が多くなるため、過去にCCNAを取得した経験がある場合はスムーズに学習を進められるでしょう。

テクノロジーコア試験の 1 つに合格する

三つ目の方法は、「テクノロジーコア試験の1つに合格する」ことです。テクノロジーコア試験とは、CCNPの試験の一つです。CCNPを取得するためにはこのテクノロジーコア試験を必ず取得しなければいけません。試験名称は「350-401 ENCOR」であり、シスコの公式ページに載っている試験内容は下記の通りです。

  • デュアルスタック (IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
  • 仮想化
  • インフラストラクチャ
  • ネットワークアシュアランス
  • セキュリティ
  • 自動化

参考:シスコ「Implementing Cisco Enterprise Network Core Technologies (350-401 ENCOR)」

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/exams/current-list/encor-350-401.html

CCNPを取得するためには、このコア試験と呼ばれる「350-401 ENCOR」とプロフェショナルコンセントレーション試験の中からどれか一つを合格する必要があります。しかし、CCNAを更新するためには、コア試験かプロフェショナルコンセントレーション試験のどちらか一つに合格すれば更新できます。

エキスパートレベル筆記試験の 1 つに合格する

四つ目の方法は、「エキスパートレベル筆記試験の1つに合格する」ことです。エキスパートレベル筆記試験とは、CCNPのさらに上の上位資格にあたるCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)の筆記試験になります。CCNPよりもさらに難易度が高くなり、試験言語も英語のみとなるため非常に難易度が高い試験として知られています。

このエキスパートレベル筆記試験に合格できれば、CCNAの有効期限も自動で更新されます。しかし、資格取得の難易度は非常に高いため、更新の方法としては適していないといえるでしょう。

エキスパートレベルラボ試験または実技試験の 1 つに合格する

五つ目の方法は、「エキスパートレベルラボ試験または実技試験の1つに合格する」ことです。このラボ試験は、実機を操作した上での設定作業などもあるため、ネットワークの設計・構築などの実務経験やCCNP以上の知識レベルがあったとしても合格は難しいです。そのため、CCNA更新のためにラボ試験合格を目指すのは非常に困難だといえるでしょう。

CCNAの有効期限が来る前に考えておこう!

CCNAの更新期限である「3年間」は長いようで短いです。そのため、有効期限が迫る前にどのような方法で更新するのか考えなければなりません。CCIEの筆記試験やラボ試験に合格するのもCCNAを更新するための手段の一つですが、非常に難易度が高く、年単位の時間が掛かるため非現実的だといえます。

そのため、CCNAを更新するためには、「CCNAをそのまま更新する」または「CCNPなどの上位資格にチャレンジする」この二つが現実的であり、おすすめです。この章では、CCNA更新のためにやるべきことについて、整理しながら解説していきます。

CCNAをそのまま更新する

過去に取得した経験があるCCNAをもう一度受けて期限を更新させるやり方は、学習の負担が少なくて済むメリットがあります。忘れている箇所に関しては復習する必要がありますが、学習自体の難易度はそこまで高くないでしょう。

しかし、CCNAの試験はランダムに出題されるため、一度合格したからといって簡単に合格できるものではないことは認識する必要があります。CCNAを取得した際の合格点がギリギリであった場合、確実に合格するために今一度勉強し直す必要があるでしょう。また取得した日が1年前や2年前にもなると、学習内容を忘れている可能性が高いです。一度合格したことで油断せずに、新たな気持ちで試験勉強に臨む必要があるでしょう。

CCNPなどの上位資格にチャレンジする

CCNAを更新するために、CCNPなどの上位資格にチャレンジすることもおすすめです。上位資格であるCCNP取得にチャレンジすることで、さらにネットワークの知識を深められます。また、CCNPを取得することで、就職・転職の際に活きたり、ネットワークに関する専門知識が求められる設計・構築などの現場にも参画できたり、様々なメリットを得られるでしょう。

CCNAを更新するためには、コア試験かプロフェショナルコンセントレーション試験のどちらか一つに合格すれば更新できます。どちらの試験も難易度は高いですが、CCNA取得の際に身につけた知識が基本となるため、勉強を継続して行っていけば取得の難易度はそこまで高くはありません。またCCNPの試験範囲では、CCNAで学んだネットワーク技術の応用や新しい技術なども登場するため、好奇心を持って飽きずに学習できるでしょう。

有効期限内によりレベルの高い現場で実務経験を積む

ここからはCCNAの有効期限内に必ずやっておいた方がよいことを紹介します。

一つ目は、有効期限内によりレベルの高い現場で実務経験を積むことです。CCNAを持っていることは一人のエンジニアとして大きな武器であり、周りへのアピール材料としても活用できます。CCNAの有効期限内に、CCNA取得が条件とされている現場への配属を希望することをおすすめします。

CCNAが条件となっている現場の場合、ネットワークの運用・保守や設計・構築など、CCNAの学習で得た知識を実際の現場で活かせる機会が多くなり、自身のスキルアップにもつながります。できるだけ早い段階で専門的な知識が必要な現場に参画することはエンジニアとして大きなメリットだといえます。また、専門知識が特別必要とされない監視業務などと比較すると、給与面でも大きな差がつくでしょう。

そのため、有効期限内にCCNA取得が条件とされている現場への配属を希望することをおすすめします。

有効期限内にIT転職・就職にチャレンジする

自社内でのアピールだけではなく、有効期限内にIT転職・就職にチャレンジするのも一つの手です。例えば、CCNAの取得に対して資格手当が付いている企業に転職した場合、資格手当の分だけ確実に年収アップが可能となります。

エンジニアとしてのキャリアを歩んでいくためには、資格によるアピールも非常に大切です。苦労して取得した資格であるため、失効させないように注意することも必要ですが、資格をどのように活かすかも考えていきましょう。

CCNAの有効期限が失効する前に上位資格やIT転職・就職にもチャレンジしよう!

CCNAの有効期限である3年はあっという間です。自身で頑張って取得した資格であることを忘れずに、期限内に有効的に活用していきましょう。まずは、期限内に上位資格であるCCNPの取得や、より良い条件の企業へのIT転職や就職などにもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

また、CCNAを取得することで就職や転職、年収アップなど多くのメリットを得られます。インフラ系エンジニアとして手に職を付けたい、就職・転職を有利に進めたいと考えている方は、ぜひCCNA取得にチャレンジしてみてください。

引用元: https://codexcode.jp/

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