CCNA(シーシーエヌエー)は、インフラ系エンジニアの登龍門的な資格として非常に評価の高いものです。
IT未経験の方がエンジニアに転職を目指す場合でも、CCNAを取得することで転職に成功する可能性が高まります。
ただ、未経験の方がゼロからやみくもに勉強しても合格は難しい資格である、というのも否めません。
そこでこの記事では、CCNAという資格についての説明と共に、CCNAに確実に合格できる程度の知識を身に着けるための勉強方法について、紹介しています。
この記事を参考にして、CCNAの取得と転職に活かしていただけると嬉しいです。
Contents
IT未経験者がCCNAを取得するために学ぶべきこと!
IT未経験者の方にとっては、CCNAがどのような資格なのか、どのように勉強すれば合格できるのか、詳しくはご存知ない方も多いと思います。
この項では、CCNAという資格についての説明と、その勉強法について紹介します。
CCNAはどのような資格なのか?
CCNAとはどのような資格なのでしょうか。まず概要を説明します。
CCNA(シーシーエヌエー)とは、シスコ社(Cisco)が実施しているシスコ技術者認定試験のひとつです(正式名称:”Cisco Certified Network Associate”)。
シスコ社は世界的なネットワーク機器のメーカーで、ルーターやハブなどの販売シェアが世界1位の企業です。シスコ社の機器は、日本を始め世界中のインフラシステムで使用されています。
そんなシスコ社が主催する資格が、シスコ技術者認定試験です。
シスコ技術者認定試験に合格して認定を受けることで、ネットワークの知識やネットワーク機器を取り扱うスキルを証明できます。世界トップシェア企業のネットワーク認定試験であること、そして世界中で同じ試験が実施されているため、シスコ技術者認定試験は世界中で評価されている資格なのです。
シスコ技術者認定試験の中で、エンジニアとして最初に受けるべき、基本的な知識を問われるのがCCNAです。
CCNAは全世界共通で、ネットワークやインフラ系エンジニアの登竜門と言える資格です。
CCNAがインフラ系エンジニアとして評価される理由は?
CCNAは、インフラ系エンジニアにとって評価されている資格です。
求人ボックスさんのサイトで「ネットワークエンジニア CCNA」と検索すると、6,560 件もの転職・求人情報がヒットします(2022年7月8日現在)。
なぜ、これほど評価されているのでしょうか。
実務で使える知識を学べる
CCNAの試験範囲は、ネットワークの基礎全般と共に、シスコ社のネットワーク機器を操作するコマンド(文字列による命令)についての知識も含まれます。それらはインフラシステムの現場で実機を操作するために必要な知識であり、実務にも有効なスキルです。
CCNAの認定を受けた人は、実務の現場で早くから戦力に加われることが期待できるため、評価されているのです。
長い実績がある
CCNAの歴史は古くて、アメリカでは1997年から、日本でも1998年から続くネットワークの認定試験です。長く、ネットワーク系エンジニアの登竜門的な試験として認識されています。新卒でインフラ系エンジニアになった方が、最初に取得を促される資格のひとつとしても一般的です。
実績のある資格なので、それもまた企業からの信頼が高い理由です。
CCNAの勉強方法とは?
CCNAはどのように勉強すれば合格できるでしょうか。
未経験からの勉強法について、紹介します。
ここでお伝えする方法は、筆者自身がネットワークスペシャリストなどの高度情報処理試験に連続合格できて、前職で社員の資格取得サポートを行なっていた際にも、若手社員が様々な資格に合格できた方法です。
再現性が高いものだと思うので、独学で勉強を進めたい場合は是非参考になさってください。
転職に活かすためのCCNA取得のポイント
具体的な勉強方法の前にその心構えとして、転職に向けてCCNAを受験する場合に意識したい、筆者の考えるポイントを紹介させてください。
ポイントは次の3つです。
- 一回で合格すること
- あまり長い期間をかけないで合格すること
- 知識は体系的に理解すること
その1:一回で合格すること
CCNAの試験は、できるだけ一回の受験で合格しましょう。
CCNAの受験料が、税込み36,960円と非常に高いものになっているからです。
2度3度と支払うには高額ですよね。
一回で合格できるだけの準備を、しっかりと整えましょう。
その2:あまり長い期間をかけないで合格すること
CCNAはネットワーク技術の登竜門として評価の高い資格ですが、ただの資格に過ぎません。
エンジニアとしてのスキルは、現場での実務の中で磨かれます。
特に未経験からの転職では、できるだけ早いうちに現場での仕事に携わりたいところ。CCNAを取得する目的は、あくまで基本的な知識やスキルを効率よく身につけて、転職を成功させることです。CCNA合格のみを目標としてしまって、あまりに時間をかけ過ぎないように、ご自身のなかで期間を区切るなどしてチャレンジするのをおすすめいたします。
その3:知識は体系的に理解すること
IT未経験からの資格取得は、転職だけではなくて転職後の実務にも活かしたいところ。
せっかく勉強するのですから、実務でも役に立つように、ネットワークの知識について体系的に理解しましょう。
ネットワークのプロトコル(仕様)は、体系的に構築されているので、それを理解できていることは現場でのトラブルシューティングなどにも役に立ちます。
またCCNAは基礎的な知識を問われる資格ですが、CCNP(シーシーエヌピー)など上位の試験を目指す場合の土台にもなります。しっかりと理解をしておくことで、上位試験の負担や学習期間を短縮させられますよ。
ただ資格を得るだけでは無くて、実務まで見据えて、しっかりと体系的に理解したうえでの合格を目指しましょう。
独学で勉強を進める方法
では具体的に、独学で資格を取りたい場合の勉強法について紹介します。
大まかな流れは、次の通りです。
- 試験範囲全体の知識に触れる(インプット)
- 問題を沢山解いて(アウトプット)、理解する(定着)
- 模擬試験を受けて、合格への可能性を測る(最終確認)
順にご説明します。
試験範囲全体の知識に触れる(インプット)
まずは、インプットから始めましょう。目的は、試験範囲全体を把握することです。
具体的な方法としては、参考書を用意して全体を読むこと。あるいはUdemyさんなどの Web教材を使って、一通り勉強することです。
ここでのコツは、「全て覚える必要は無い」ということ。しっかりと理解して覚えるのはこの先のフェーズで行うので、ここでは試験範囲全体の概要や、出てくる用語などが把握できればOK!
参考書をつかうのであれば斜め読みでもよいので、短期間に2~3周目を通しましょう。
Web教材を使われる場合は、その教材で教わる通りに進めればよいと思います。
参考書を使う場合、CCNAには通称“白本”と呼ばれる定番があります。
この参考書は、次の「理解して覚える」フェーズでも使用したいので手元に用意したいところですが、900ページ近くあるため、初めての方が繰り返し読むには斜め読みとはいえ大変かもしれません。
その場合、おすすめの書籍があります。
初心者の方にもとっつきやすい見た目と適度な情報量で、試験範囲全体の概要を掴みやすい本です。この本を先に1~2周読んで、白本を最後に一周斜め読みするのもオススメです。
繰り返しになりますが、このフェーズではざっと斜め読みでOKです。
インプットの目的は、試験範囲の広さや大体の用語を把握することなので、無理に覚えようとしなくて大丈夫。
「試験範囲全体の地図」がある程度頭に描けたら、次に進みましょう。
問題を沢山解いて(アウトプット)、理解する(定着)
試験範囲全体の地図が頭に描けたら、次はひとつひとつの知識を理解して定着させます。
そのために、まずは問題をたくさん解きましょう。
問題を解くというアウトプットをすることで、自分が答えられない問題や理解しきれていないポイントに気づけます。このタイミングが理解や定着のチャンスで、ここで解説や参考書、Web上の情報から勉強してしっかりと理解するのです。
ただインプットするよりも、「これどういうことかな?」とわからないことを自主的に調べることで理解が深まり、知識が定着しやすくなります。
問題を解いて、わからない時や間違えた時、そして自信を持って答えられない場合には、問題の解説から勉強しましょう。ここで初めて、体系的に理解をします。解説を読んでも意味が解らなければ、インプットで使用した参考書に戻って調べてみましょう。インプットで斜め読みしていた時よりも、内容がわかりやすくなっているはずです。参考書でもわからなければ、インターネットで調べるのもおすすめです。
インプットの段階で全体の地図を頭に作っておくことで、解説が理解できたり、参考書で調べるにもどこを調べればよいのか目途をたてたりできます。そして、学んだことを体系的に整理できるのです。
沢山の問題を解くためには、それだけの問題を用意しなければいけません。そのために、定番のWebサイトがあります。
Ping-tです。
引用元:https://mondai.ping-t.com/g#content-large_category_1
Ping-tの問題は一部無料で使えますが、ぜひ有料登録をして全ての問題を解きましょう。Ping-tの合格体験記によると「8割から9割の問題に回答できるようになれば合格」と書かれていることが多かったので、「1回で合格する」ためには、ここで9割以上を即答できるように目指すのをおすすめします。
最初のうちは調べたり理解したりしながら問題を進めるので、非常に時間がかかるかもしれません。ですが、2周目3周目と繰り返すうちに知識がついて、サクサクと進められるようになるはずです。
ただ、問題と答えを覚えて正解するだけでは意味がありません。
Ping-tは沢山の問題があって非常に有益ですが、実際の問題がそのまま出るわけではありません。本番の試験では必ず初見の問題があります。その問題を解くためには、出題範囲の知識については体系的に理解して、論理的に回答を導きだせるようになっておく必要があります。
「理解して定着させる」ことを意識してください。
模擬試験を受けて、合格への可能性を測る
白本には、最後に模擬試験問題が掲載されています。実際の試験の問題数よりも少ないのですが、ここで9割取れるか確認しましょう。
9割以上正解であれば、合格はすぐそこと言えるでしょう。
シミュレーターを使って学ぶ
CCNAでは、ルーターなどの機器を使うための「コマンド」に関する問題が出題されます。
コマンドとは、機器に命令するための文字列のこと。PCと機器を接続してコマンドを入力すると、機器がその命令に対応します。
例えば、「show ip route」(IPルートを見せろ)というコマンドを入力すると、ルーターが内部で保持している”ルーティングテーブル”の内容を返信してくれるため、現在のルーティングテーブルの設定を確認できます。
実務では、正しく通信できない場合のトラブルシューティングとして、ルーティングテーブルを確認して、古い設定が生きていて邪魔していないかなどを確認するのです。
このコマンド入力を試すために実機を準備するのは大変ですが、Cisco Networking Academyが公式に提供しているシミュレーターを利用することで、簡単に操作できるようになります。
それは、Packet Tracerというツールです。
PCやスイッチ、ルーターなどをドラッグ&ドロップで自由に設置して、それぞれにコマンド入力を試せます。
ネットワークのジャンルは、初心者の方にはイメージしづらい点が多いと思います。
ルーターやスイッチなど、参考書には出てくるけど実際には見たことは無い方がほとんどでしょうし、パケットやデータも目に見えないものであるためです。
Packet Tracerを使うと、画面上でネットワーク機器を接続したり、ルーティングテーブルが何かなどを実際に表示したりできるので、参考書だけではイメージしづらい方にも可視化されて理解しやすくなるはずです。
なお、Packet Tracerは無料ですがダウンロードして使用します。そのため、ネットカフェやコワーキングスペースのレンタルPCでは使えません。
PCはご自身のものを準備なさってください。
ここまで、CCNAの独学による勉強方法について紹介しました。
未経験からでも独学での学習で合格は可能ですが、短期間で一発合格を狙うというのは簡単ではありません。ちょっとわからない部分や壁に当たってしまったとき、1人で解決法を見つけられずにハマってしまうことがあるからです。
そういった場合は直ぐに講師に質問できる、スクールに通うという選択肢もありますよ。
CCNAを学ぶためにおすすめのスクールはこちらの記事にまとまっているので、ぜひご参照ください。
CCNA試験の申し込み方法
CCNA試験は、外部サイトであるPearson VUE(ピアソンビュー)で行います。
予約をする前にPearson VUEでアカウントを作成、その後CCNA受験の予約を取るという流れになります。
申し込み方法について、詳しくはこちらの記事にまとまっているので、ご参照ください。
CCNAの勉強時間はどれくらい必要?
CCNAに合格するために必要な勉強時間は、一般的にどの程度なのでしょうか。
多くのケースを参照するために、ネット上で調べてみました。
CCNAの合格までにかかる勉強時間
結論としては、未経験からの学習の場合、160時間から200時間程度とおっしゃる方が多いようです。
一日2時間学習する場合、80日から100日程度。期間としては3カ月程度が目途となるようですね。
ネット上でも、未経験からCCNAに合格された方は3カ月前後という方が多くいらっしゃいました。
みなさん、凄いですね!
参考までに、CCNAにはシスコ社による公式Eラーニングがあるのですが、このアクセス期間は180日(=6カ月)が期限となっています。
逆に、既にインフラ系エンジニアとして勤務されている方などは、1カ月から2カ月弱程度で取得された方が多いようです。
やはり実務によって知識があると、取得も早まるようです。
CCNAの難易度
CCNAの取得までの期間は分かりましたが、難易度はどの程度なのでしょうか。
難易度の目安は合格率で判断できるのですが、CCNAは公式の合格率は発表されていません。
なので非公式のデータを調査してみました。
資格総合サイトとして信頼度No1を獲得した「資格Times」さんやYouTubeでインフラエンジニアの情報を提供している「ITサプリ」さんなどの複数のデータによりますと、合格率は50%~60%であると推測できそうです。
IT系の資格では、ITパスポート(54.0%)や情報セキュリティマネジメント(54.0%)と同程度の合格率であるようです。
CCNAの試験範囲
CCNA試験の範囲は、出題の割合も含めて公開されています。
ネットワークの基礎 | 20% |
ネットワークアクセス | 20% |
IPコネクション | 25% |
IPサービス | 10% |
セキュリティの基礎 | 15% |
自動化とプログラミング | 10% |
CCNAは公式の合格点は公表していません。ただし1000点満点中、「資格Times」さん他多くのサイトで800点~900点が合格ラインと言われています。
80~90%以上は得点を取る必要があるため、これらの項目の中で苦手を作ることはできず、全体的に満遍なく理解をして得点を取る必要があります。
CCNAに合格したら年収はどのくらいあがる?
一般的に、ITエンジニアへの未経験からの転職は難しいと言われています。現場で働けるまで育てるなら、年齢が若く給料の低い新卒社員の方が良いからです。
特にプログラミング開発系エンジニアは、実務経験や実績・センスが問われる場合が多いので、未経験から転職を目指すためには経験者のサポートなどが不可欠であると言えます。
一方でインフラ系エンジニアは、知識を付ければ比較的転職しやすい業種です。
新しい技術がどんどんと出てくるというよりも、枯れた知識(IPネットワークの仕様のような、長く続く安定した技術の知識)を使いこなす能力が求められることが多い職種であるため、勉強したことを活かしやすいためです。
CCNA合格によって転職が目指せる職種
CCNAに合格することで、インフラ系エンジニアへの転職の可能性が高まります。CCNAは一定以上のネットワークの知識を証明してくれるため、未経験であっても、インフラシステムの現場で通用するような評価を受けられるからです。
CCNAの取得が転職に役に立つ主な職種は、次の3つです。
- ネットワークエンジニア
- インフラエンジニア
- クラウドエンジニア
CCNAの知識が直接役に立つのが、ネットワークエンジニアです。
企業や組織が利用するITネットワークのインフラシステムの中で、ネットワークを繋ぎ、正常に運用する役割を担います。ネットワークエンジニアは、インフラエンジニアの中のネットワーク担当という見方もできるため、よほどのスペシャリストでない場合はインフラエンジニアとカテゴライズされる場合も多いです。
近年では、インフラシステムはクラウドサービスを利用して構築する流れになっています。
クラウドサービスを利用すると、ネットワークやサーバーを物理的に準備するのではなく、ソフトウェアを操作してクラウド上にインフラシステムを構築できるのです。これによって初期費用を圧縮したり、システム稼働までの時間を大きく削減したりできます。
クラウドサービスを使ったインフラシステム構築や運用を行うエンジニアを、クラウドエンジニアといいます。CCNAで学んだネットワークの知識はクラウドサービスでも必要なので、クラウドエンジニアとしての仕事も目指すことも可能です。
それぞれの職種の年収
インフラエンジニア(ネットワークエンジニアを含む)とクラウドエンジニアの年収を見てみましょう。
Webサイト「求人ボックス」さんの給料ナビを確認したところ、次のような年収であるようです。
日本平均 | 436万円 |
インフラエンジニア | 538万円 |
クラウドエンジニア | 595万円 |
エンジニアになることで、日本の平均よりも年収で100万円以上増えることがわかります。
さらに、インフラエンジニアとクラウドエンジニアの平均年収には57万円の差があります。
クラウドエンジニアになることで、更なる年収のアップが見込めますね。
ただこの図のグラフを見ると、インフラエンジニアは平均よりも高い年収のボリュームも大きいですが、クラウドエンジニアのほうの平均年収以上のボリュームは小さくなっています。
年収を増やすためには、インフラエンジニアのスペシャリストとなるという選択肢もありそうです。
エンジニアは、ご自身の将来設計とスキルアップで、できる仕事の幅が広がったり年収を増やしたりと選べます。
CCNAに合格したあと狙うべき資格や職種とは?
CCNAに合格できたら、先ずはインフラ系エンジニアへの転職を目指しましょう。
エンジニアは、実務の中で実績を積むことでスキルアップができるからです。
そのうえで、更なるスキルアップに活かすために、新たな資格を目指すのも良いでしょう。
エンジニアの良いところは、ご自身の将来設計と努力によって、できる仕事の幅が広げられたり年収を増やしたりと選べるところです。
インフラ系エンジニアに転職後にはどのような職種を目指せるのか、その職種を目指すためにはどのような資格を狙うとよいのか、ご紹介します。
CCNAに合格した先に狙える職種
CCNAに合格した先に狙える職種とは、主に下記の5つです。
- ネットワークエンジニア
- インフラエンジニア
- ネットワークスペシャリスト
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
それぞれ、どのような職種なのか、そしてどのような資格を狙うと良いのか説明します。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、インフラシステムでサーバーや端末をネットワークで繋ぐこと、そしてそれらを正常に運用することが主な役割です。スイッチやルーターを物理的にケーブルで繋いだり、それぞれのネットワーク機器にコマンドで設定を行ったりします。
ネットワークエンジニアはCCNAの合格によって、転職を目指すことが可能ですが、その上位の資格であるCCNP Enterpriseを学ぶことで、スイッチやルーターなどについてより高度で深い技術が学べます。
現場のネットワークエンジニアとしてよりスキルを磨きたい場合は、CCNP Enterprise合格を目指すのが良いかもしれません。
CCNAを取得した知識が残っている間に勉強を開始するのが、おすすめです。
インフラエンジニア
CCNAでネットワークについて学んだあとは、サーバーについて知識を付けることで、インフラシステム全体を理解するインフラエンジニアを目指せます。
サーバーについて学ぶためには、LPIC Level1(エルピックレベル1)が最もメジャーな資格です。
LPICはインフラシステムのサーバーとしてトップシェアであるLinux(リナックス)OSの操作について学びます。
LPICに関してはこちらの記事に詳しくまとまっていますので、ご参照ください。
【2022年2月最新】LPICとはどんな資格?難易度から勉強方法まで解説!
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、企業などの組織全体のネットワークシステムの設計などを担当します。
ネットワークエンジニアがより現場に近いものだとすると、ネットワークスペシャリストは大規模なネットワークシステム全体の設計を担当するようなイメージです。
※ネットワークスペシャリストという名称は一般的ではないかもしれませんが、ネットワークエンジニアとの業務の違いを明確にするために、区別して使用しています。
ネットワークスペシャリストを目指すのに狙いたい資格は、情報処理技術者試験のネットワークスペシャリストです。
CCNAで学んだネットワークの知識(TCP/IPなど)をベースにして、組織全体の堅牢なネットワーク構築やセキュリティについて学べます。
合格率が14.5%と低いうえに、年に1度しか実施されない試験なので、しっかりと準備してチャンレジしましょう。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアとは、インフラシステムの設計・構築・運用を、クラウドサービスを利用して行う技術者のこと。
クラウドサービスとは、クラウドコンピューティング(クラウド上のサーバーやストレージ、ネットワークなどを利用すること)を提供するサービスで、現在のトップシェアなのがAWS(エーダブリューエス:Amazon Web Service)です。
従来のインフラシステムは、サーバーやネットワーク機器を物理的に用意して構築していましたが、クラウドサービスではクラウド上のサーバーなどをソフトウェアのように簡単に操作できます。
これまでのインフラシステムと比較して、システムを稼働させるまでのリードタイムを圧倒的に短縮できたり、初期コストを大幅に削減できたり、スケーリング(アクセス数に応じて規模を増減すること)が柔軟にできるなど沢山のメリットがあるため、近年ではクラウドサービスを使ったインフラシステム構築が主流となっています。
クラウドエンジニアを狙うのにおすすめの資格は、AWSの初学者向けの試験であるAWSクラウドプラクティショナーです。
現場によってはAWS以外のクラウドサービスを利用している可能性もありますが、クラウドサービスの概念的な部分にはそれほど大きな違いはありません。最初に学ぶにはトップシェアであるAWSの資格が無難でしょう。
セキュリティエンジニア
ネットワークの利便性の代償として、セキュリティのリスクが発生します。
近年では企業の情報漏えいやランサムウェア(データが暗号化されてアクセスできなくなり、身代金を請求される)など、セキュリティ問題がニュースになっていますよね。
このようなIT攻撃を防ぐための施策の実施や、企業内であれば社員への啓蒙活動などリテラシーを上げるなど企画・実施を行うセキュリティの専門家が、セキュリティエンジニアです。
CCNAの上位資格にも、セキュリティの資格は準備されています。
CCNP Securityと、さらに上位であるCCIE Securityです。
CCNP Securityに合格することで、セキュリティソリューションの知識があることを証明できます。
セキュリティソリューションとは、セキュリティの統合スキルのこと。FirewallやEmailセキュリティ、Webセキュリティ、VPNなどの企業が必要となる多くのセキュリティスキルを連携させて学びます。
CCIE Securityは、それよりもさらに高度で複雑なセキュリティソリューションスキルを証明します。
セキュリティの資格としてメジャーなものには、国家資格である情報安全確保支援士(登録セキスぺ)もあります。
情報安全確保支援士は情報処理技術者試験のひとつで、サイバーセキュリティリスクを分析・評価して事業やサービス、情報システムの安全を確保するセキュリティエンジニアや、技術・管理の両面から有効な対策を助言・提案して経営層を支援するセキュリティコンサルタントを目指すための資格です。
情報安全確保支援士の試験に合格すると、情報処理安全確保支援士に登録できます。国家資格として、サイバーセキュリティ人材として認められるのです。
この資格を得て実務経験を積むことで、将来的には独立も視野に入るのではないでしょうか。
CCNAの勉強方法とIT未経験転職のポイントを一度に学ぼう!
この記事ではCCNAの勉強法について紹介してきましたが、改めてポイントを確認しましょう。
- 一回で合格すること
- あまり長い期間をかけないで合格すること
- 体系的に理解して合格すること
独学で勉強しても合格は可能ですが、簡単な試験ではありません。特に、ネットワークなどの予備知識の少ない方には、この3つを満たしての合格は難しいかもしれません。
そのような方には、独学よりもIT/プログラミングスクールのCCNA取得コースを受講するのもおすすめです。
IT/プログラミングスクールのメリット
IT/プログラミングスクールのメリットは色々とありますが、CCNAを取得する場合のメリットとしては主に次の3つが挙げられます。
- 短期間での合格が見込めるカリキュラムが用意されていること
- 学習面と共に、スケジュールなどもサポートを受けられること
- 転職サポートや企業の斡旋までが、サービスに含まれるスクールがある
順に見ていきましょう。
短期間での合格が見込めるカリキュラムが用意されていること
多くの受講生をCCNA に合格させた実績のあるIT/プログラミングスクールでは、短期間で合格するためのカリキュラムが用意されていて、それを教えるノウハウも蓄積されています。
初学者の方にとっては、知識が無い状態から独学で勉強するよりも、合格までの実績のあるカリキュラムに沿って学べるほうが、効率的にも効果的にも大きいと言えますよね。
学習面と共に、スケジュールなどもサポートを受けられること
初学者にとって勉強が難しい点として、わからないところや理解できないところの解決に時間がかかるというものがあります。いくら解説を調べても、その解説が理解できなくて行き詰ってしまう場面も想像がつくのではないでしょうか。
IT/プログラミングスクールで学べる場合、講師にすぐに質問して回答や解説が得られるのも大きなメリットです。
また、IT/プログラミングスクールによっては、面談やスケジュール管理などの細かい学習サポートを受けられるところもあります。
例えば本業を抱えながら勉強するような難しいチャレンジの中でも、客観的な視点から進捗度合をチェックしてもらえたり、個別の相談に乗ってもらえたりするなど、独学では得られない様々なサポートを受けられるのです。
転職へのサポートや斡旋まで、サービスに含まれるスクールがある
あまり知られていないかもしれませんが、IT/プログラミングスクールによっては、受講生の転職サポートや企業の斡旋までがサービスに含まれているところがあります。
スクールで学んでCCNAの資格を取得した後は、そのスキルを活かした転職先を斡旋してもらえることや、面接や書類の書き方まで教わることで、早期に転職活動を行うことが可能です。
資格取得は転職やその後の業務に活かすためのものと考えた場合、資格取得と共にすぐに転職のためのサポートを受けられるのも大きなメリットです。
IT/プログラミングスクールのデメリット
IT/プログラミングスクールのデメリットとしては、次の2点が考えられます。
- 受講費用がかかること
- スクールに通う時間がかかること
受講費用がかかること
受講費用がかかること。これはIT/プログラミングスクールのデメリットですね。
独学で勉強すれば、書籍代やPing-tの登録費などだけで済みますから。
ただ、この受講費用もIT/プログラミングスクールによって差があります。さらに、時期によってはキャンペーンが行われて、お得に受けられることもあるのでチェックしてみるのもよいかもしれません。
また、確かに受講費用はかかりますが、CCNAに合格して転職までサポートを受けられれば、エンジニアとして年収が上がる可能性が高いです。これまでの年収との差額分ですぐに費用は回収できますし、その後の生涯収入が大きく増えることを考えると、効果的な投資という考え方もできそうです。
スクールに通う時間がかかること
エンジニアに転職を目指す方は、既に社会人として働いている方も多いかと思います。本業が忙しい中、スクールに通うのは負担が大きいですよね。
そのような場合は、教室まで通わなくても動画やE-ラーニングで受講できるIT/プログラミングスクールもありますよ。
ご自身の都合の良い時間と場所からパソコン一台で学べるので、負担も減らせるのではないでしょうか。
ただそのようなスクールであっても、面談などはオンラインで講師と直接会話できるところを選ぶのをおすすめします。せっかくサポートを受けられるのですから、直接質問できたり業界の話が聞けたりするのも、IT/プログラミングスクールのメリットですので。
CODExCODEの場合
CODExCODEには、CCNAに合格して、更に人気のプログラム言語であるPython(パイソン)も学べる「フルスタックエンジニア」コースがあります。
「フルスタックエンジニア」とは職種ではないのですが、開発やインフラといった分野や工程にとらわれず活躍できるITエンジニアのことを言います。CCNAの取得やPythonの知識を転職に活かしながら、将来的にフルスタックエンジニアを目指す土台を作ります。
CCNAによってネットワークやネットワーク機器を扱う知識に加えて、Pythonによるソフトウェア開発によって作業の自動化やデータ解析まで行えるネットワークエンジニアは、とても生産性が高く他のエンジニアとの差別化が可能です。
転職後の更なるスキルアップによっては、現場を選ばずに必要とされるフルスタックエンジニアになって、収入も更なるアップを見込むこともできますね。
フルスタックエンジニアコースの詳細は、次の表の通りです。
身に付くスキル | CCNA、Python |
受講期間 | 1ヶ月〜最長3ヶ月程度を想定 |
料金 | 228,000円(税込) 学割:114,000円(税込) |
キャンペーン (詳しくはお問合せ下さい) | ・先着10名様限定!受講料50%OFF(キャンペーン期間:~ 2022年7月31日) ・CODExCODEが紹介している企業に内定が決まった場合、お祝い金として 80,000円をキャッシュバック |
学習方式 | オンラインによる学習。 チャットサポート(対応時間は10時~22時まで)や週1回のメンタリングあり |
転職サポート | あり。 講師とは別の担当キャリアカウンセラーによるカウンセリングや条件に合わせた企業の紹介。 各種書類添削や面接対策などの、転職活動対策もサポート。 ※ただし、紹介企業は関東圏内のみ |
公式サイト | https://codexcode.jp/#course |
なお、CODExCODEの資格取得率は97%。CCNAの合格率が50~60%ということを考えると、かなり高い水準です。
IT/プログラミングスクールを利用することで、短期間で合格する可能性が高まる上に、転職までサポートを受けられます。
独学に難しさを感じられている方は、利用する価値は高いと思います。
CODExCODEでは、WEBオリエンテーションで無料相談を受け付けています。
エンジニアへの転職に興味がおありなら、まずは無料で話を聞いてもらうのはいかがでしょうか。
無料のWEBオリエンテーションはこちらからお申込みできます。
CCNAの合格によって、エンジニアへの転職に希望が持てます
CCNAは、インフラ系エンジニアにとっての登龍門的な資格として、とても評価が高いものです。未経験からのエンジニアへの転職を本気で目指すのであれば、この記事を参考にして、一発合格を目指していただけると嬉しいです。
独学が難しい方は、スクールを上手く活用することで、より効率的に効果的に学習することも可能です。
既に本業を持って日々忙しい方が、未経験のジャンルの勉強をイチから頑張るのは、ほんとうに大変なチャレンジだと思います。
それでもITエンジニアはご自身の意思でスキルアップできたり、それを収入アップにつなげたりと、長くやりがいを持って打ち込める仕事であると筆者は考えています。
転職への希望が本物なのであれば、是非本気で転職を検討していただければと思います。