カモにされる!? プログラミングスクール受講者は「カモ」?

「プログラミングスクールは受講者をカモにする」という言説がインターネット上には見られます。スクールがお金儲けのために受講者をいいように利用する、受講者のほうはお金だけ払って結局転職はうまくいかないといったニュアンスです。

プログラミングスクールのカモになってしまう現象は、一部には実際にあります。しかし、それは必ずしもスクールが悪徳事業者というわけではなく、受講者本人の態度や認識、両者のミスマッチなどに原因があることも多いです。考え方や気持ち、スクールの選び方などについて、いくつかのポイントを押さえておけば、たいていの場合、スクールのカモになることは防げます。

そこで今回は、プログラミングスクールのカモになってしまう理由と、スクールを利用したエンジニア転職で失敗しないための方法をお伝えします。あわせておすすめのプログラミングスクールもいくつか紹介するので参考にしてください。

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プログラミングスクールにカモにされる理由は?【こんな人は失敗するかも】

ノートパソコンを使っている男性  自動的に生成された説明

プログラミングスクールにカモにされる、もしくは「カモにされた」と後悔してしまう理由としては、主に以下のような事柄が挙げられます。プログラミングスクール自体に原因があることも無論考えられますが、受講者側の意識や態度に問題が見られることもしばしばです。

以下の内容を参考に、これからプログラミングスクールを活用したエンジニア転職に臨むうえで、気持ちや考え方の面で改められることがあれば、ぜひ改めてみましょう。

なお、身に覚えのない請求があったり、強引な勧誘をされたりと、明らかに悪徳業者であることが疑われる場合は、自分で抱え込まず第三者に相談するのがおすすめです。ご家族やご友人などに話しても良いですし、消費生活センターの「消費者ホットライン」も使えます。

「消費者ホットライン」188 日本全国のお近くの消費生活相談窓口をご案内します。

出典:国民生活センター公式サイト「全国の消費生活センター等」

局番なしで「188」にかければ、都道府県等の消費生活センター、もしくは国民生活センターに電話がつながります。誰でも気軽に商品やサービスについての不安を相談ができるので、心配な場合にはぜひご活用ください。

さて、話を戻します。悪徳業者でない、一般的なプログラミングスクールにカモにされてしまう(受講しても満足な結果が得られない)理由を見ていきましょう。

開発系エンジニアに転職するのが簡単ではないから

ITエンジニアといえば、プログラマーやシステムエンジニアなどの開発系エンジニアをイメージされる人も多いでしょう。しかし、IT未経験から開発系エンジニアになるのは、比較的難しいといわれています。

開発系エンジニアとして活躍するには、ある程度「センス」が必要であり、言うなれば「向き・不向き」があります。加えて、人気があることから倍率が高く、優れたポートフォリオで適性を強くアピールでもしないと、未経験から優良企業に入るのはハードルが高いです。もちろん未経験から転職して成功する人もたくさんいますが、決して簡単なことではありません。

そのため、プログラミングスクールで勉強したものの、内定がもらえなかったり、希望しない会社やブラック企業に入ってしまったりといった失敗例もあります。「スクールにカモにされた」というのは、事実としては、「スクールに入ったけど転職に失敗した」ということなので、開発系エンジニアを目指す以上、カモにされる(失敗する)リスクは、一定以上あると考えておくべきでしょう。

未経験者にはインフラエンジニアのほうがおすすめ!

ITエンジニアは大きく「開発系」と「インフラ系」に分類できますが、まだどちらに進むか決めていないなら、ぜひインフラエンジニアを目指すことも前向きに検討してみてください。

インフラエンジニアは、IT基盤を扱うネットワークエンジニアやサーバエンジニア、データベースエンジニアなどですが、これらにはIT未経験からでも比較的転職しやすいといわれています。

理由としては、第一にマニュアルに沿って行う定型業務からスタートするので、実務経験がなくても仕事に入っていきやすいことが挙げられます。また開発系に比べてインフラエンジニアはマイナーであり、転職市場での倍率がそれほど高くない点も魅力です。LPIC1やCCNAなど、業務に役立つ入門資格を取得すれば、8割方内定がもらえるという業界関係者もいます。

さらに資格を取って転職するまでにかかる期間は、2〜3ヶ月程度であり、スピード転職が実現しやすいことも利点です。以上の内容に魅力を感じる人は、ぜひインフラエンジニアに転職することを考えてみましょう。

受け身の態度でプログラミングスクールを受講してしまうから

さて、プログラミングスクールにカモにされてしまう理由として、特筆すべきは「受講者の意識の低さ」です。受け身のスタンスで学んでしまう、「スクールを受講すればエンジニアになれるだろう」と楽観的に臨んでしまうと、失敗する恐れがあるので注意してください。

未経験からITエンジニアになるには、転職市場でほかの応募者に勝たなければならないので、積極的に勉強するに越したことはありません。またIT業界に飛び込んでからは、年収アップやキャリアアップのために、今度は経験者も巻き込んだ中での競争です。未経験者が経験者に勝つには、コツコツ勉強を続ける努力が必要なので、スクール在籍中から主体的に学ぶことを習慣づけておくのが良いでしょう。

興味のある分野は教材やカリキュラムの範囲を超えてでも勉強する、気になることは必ずチャットや面談で質問するなど、意欲を持って勉強するのがおすすめです。反対にそのような意欲がないと、カモになってしまう(失敗してしまう)可能性が高まります。

高額な受講料を取るプログラミングスクールも存在するから

「プログラミングスクールにカモにされた」という言説が見られるのは、(大手を中心に)高額な受講料を取るスクールが存在することも一因でしょう。受講料が高ければ高いほど、転職に失敗したときのネガティブな気持ちも大きくなるはずです。

極端な話、1万円を払って失敗するのと100万円を払って失敗するのは、全く違います。1万円なら自分にも責任があると思えるかもしれませんが、100万円が無為になれば「スクールにカモにされた、ぼったくりだ」とやけになるのも無理はありません。

そのため、失敗したときの予防線を張るわけではありませんが、コスパを考えてプログラミングスクールを選ぶことも大切です。高額なところでなくても、優良なスクールはたくさんあるため、まずは手頃な値段のところから探してみるのが良いでしょう。

質が低いプログラミングスクールも一部あるから

一部には、レベルの低いプログラミングスクールも存在します。スクール自体の質が低いと、学習内容や転職支援もいまひとつになってしまうので、転職に失敗してしまうリスクが高まります。転職がうまくいかない受講者がたくさんいる一方で、スクールは失敗した人も含めて全員からお金をもらうわけであり、客観的に見れば「受講生をカモにしている」とも言えるでしょう。

なお、プログラミングスクールの質が低いとは、具体的には「テキストにミスが多い」、「質問してから回答がもらえるまでかなり時間がかかる」、「転職支援に詳しいスタッフがいない」といった特徴を指します。各スクールで無料体験を受けた際には、こうしたネガティブな特徴の兆候がないかを十分に確かめ、優良スクールと低レベルのスクールを正しく見極める必要があります。

独学でエンジニアになって成功した人もいるから

インターネットで調べると、未経験から独学でプログラミングをマスターし、ITエンジニアとして大活躍している人のブログやSNSなども見つかります。彼らの立場からすると、プログラミングの習得にスクールは不要であり、「スクールに高額な受講料を払うなんて、カモになりに行くようなものだ」といった意見も出てくるでしょう。

とはいえ、全員が独学でエンジニアになれるわけではありません。むしろ独学でうまくいくのは、優れた学力とセンス、それに運を持ちあわせた人だけともいえるでしょう。実際、インターネット上でも独学で大成功したという事例はそれほど多くなく、書かれているものについてもどこまで本当かわかりません。

またエンジニアの素養があっても、才能が開花するのにきっかけが必要な場合もあるはずです。スクールで基礎を学んだり、現役エンジニア講師の実演を見たりすることで要領を得て、自分でもできるようになるといったこともあるでしょう。以上を踏まえ、未経験からITエンジニアになるなら、基本的にはプログラミングスクールを利用するのがおすすめです。

カモにされたくないなら避けるべきスクールの特徴は?

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続いては、カモにされる(転職に失敗する)かもしれないプログラミングスクールの特徴を紹介します。以下に該当するスクールは、悪質とはいわないまでも、受講するにはリスクが大きいといえるので、避けたほうが無難です。

なお、大前提として、詐欺まがいのことをする悪徳事業者は、そもそも相手にしないように気を付けてください。身に覚えのない高額請求や強引でしつこい勧誘などにお悩みの場合は、先ほど紹介した「消費者ホットライン(188)」などに相談しましょう

ホームページに必要な情報が載っていない

ホームページを見て、必要な情報がまったく得られないようなプログラミングスクールは、怪しいので避けるべきです。とくに、どこが運営しているのかがわからなかったり、カリキュラムや料金体系の詳細が掲載されていなかったりする場合は、気を付けましょう。

ざっとホームページを確認し、どのようなことが学べるのか、全部でいくら支払えば受講できるかといったことがわからないと、安全・安心とはいえません。

就職支援に力を入れていない

プログラミングスクール経由で転職するには、学習内容もさることながら、就職支援が非常に重要です。現場に入る前に知識・スキルを高めるのには限界があるため、応募書類の書き方や面接での振る舞いを工夫し、アピールの仕方でほかと差をつけていく必要があります。

そのため、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策、企業の紹介など、一通りのキャリアサポートをちゃんと受けられるスクールを選ぶのがおすすめです。加えて、転職成功率やこれまでのサポート人数など、実績面も確認し、信頼できるスクールを選ぶのが良いでしょう。

反対に、キャリアサポートが提供されていなかったり、力を入れている気配がなかったりといった場合、そのスクールは転職希望者向きではありません。

受講料があまりにも高い

先述の通り、受講料が高くなればなるほど、万が一転職に失敗した場合のダメージが大きくなります。そのため、できるだけリーズナブルなスクールを選ぶのが無難です。安めのスクールを選んでおけば、万が一失敗したとしても、ほかのスクールに通ったり、別の学習手段に投資したりと、再度チャレンジする余地が残せます。

具体的な金額としては、10〜30万円前後で受講できるスクールがおすすめです。一方、50万円を超えるようなスクールの受講は、より慎重に検討するのが良いでしょう。

なお、高額なスクールを利用したい場合は、教育訓練給付金がもらえるかどうかも確かめてみてください。気になる講座が給付の対象となっていれば、転職の成功・失敗にかかわらず、受講料の20〜70%が支給されるので、金額の負担を抑えられます。

無料体験やカウンセリングなど、実際に確かめられる機会がない

無料のオリエンテーションやカウンセリングなどが実施されていないプログラミングスクールにも注意すべきです。無料体験の機会があれば、実際にプログラミング学習の指導を受けたり、担当者に詳しい話を聞いたりして、そのスクールが自分に合っているかを確かめられます。

一方、無料体験ができなければ、いきなり受講することになるため、「ホームページからイメージしていたのと違った」といった後悔につながりかねません。また昨今は多くのスクールが何らかの無料体験を実施していることを踏まえると、市場のニーズや競合相手を見ていないという点で、無料体験のないスクールはあまり信用できないといえます。

プログラミング以外を学習するよう仕向けられる

一部のプログラミングスクールでは、学習内容がエンジニアに関することからどんどん逸れていくという現象も見られます。最初はプログラミング学習をしていたものの、途中から「Webマーケティング」や「IT営業」などを学ばされるといった具合です。

マーケティングや営業の方法も知っておくに越したことはありませんが、ITエンジニアに転職する上では本質的ではありません。スクールの受講期間は数ヶ月しかないので、周辺的なことを勉強する余裕はなく、実務に関する基礎的なことだけをひたすら学習すべきです。

以上より、スクールを選ぶ際は、無料体験も活用しつつ、学習内容やカリキュラムがまともかどうかを十分に確かめることをおすすめします。関係のないことばかり教わって転職に失敗したのでは、まさしく「カモ」なので注意しましょう。

インフラエンジニアを目指せるカリキュラムがない

先述の通り、IT未経験から転職するなら、開発系エンジニアよりもインフラエンジニアのほうが、いくつかの点でハードルが低いといえます。そのため、システムの開発に特別なこだわりがない限り、基本的にはインフラエンジニアへの転職を目指せるスクールを選ぶのがおすすめです。

反対に開発系エンジニアしか目指せないスクールは、相対的に転職の難易度が高いという意味で、カモにされやすいといえます。もちろん未経験からプログラマーなどに転職した人もたくさんいますが、倍率が高いことには留意しておきましょう。

プログラミングスクールのカモにならないためのポイント

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ここでは、プログラミングスクールからカモにされないために注意すべきポイントをいくつか紹介します。以下を押さえてスクールを選び、主体的に一生懸命勉強すれば、スクールのカモになる心配はまずないでしょう。

スクール運営者の経歴に惑わされない

プログラミングスクールの運営者に感化され、その人が運営しているスクールに入ってしまう人が時々います。例えば、優れたITエンジニアが運営するスクールがあったとして、「こんなにすごいエンジニアがやっているのだから、きっと良いスクールだろう」と判断してしまうようなケースです。

優れたエンジニアがすなわち優れたスクールの運営者であるとは一概にはいえません。ITエンジニアのスキルと、人の教える才能や経営の手腕は別物です。よって、運営者個人の経歴や知名度と、スクールの質が比例すると考えてはいけません

有名人や立派な人物が運営するスクールでも、そのことにとらわれず、冷静にカリキュラムや転職支援の充実度をチェックすべきです。言い換えれば、先入観を持つことを避けるためにも、誰が運営しているかという情報はとくに調べなくて良いでしょう。

複数社のサービス内容を比較する

プログラミングスクール選びで失敗する人に多いのが、1社だけ見て、すぐに受講を決めてしまうパターンです。

1社目を見て「最高だ」と思っても、2社目、3社目と見ていけば、実は1社目が最低かもしれません。そのため、プログラミングスクールは複数を比較してより良いものを選ぶべきです。

受講料として数十万円を投資するわけなので、ゆくゆく「カモにされた」と後悔しないためにも、受講前には手間や時間を惜しまず、慎重な検討をしてください。

いきなり契約せず必ず無料体験を受ける

各プログラミングスクールの良し悪しを判断する際は、ホームページを見るだけでなく、必ず無料体験を受けてください。

無料体験では、実際にプログラミング学習を教わったり、カリキュラムや料金体系について詳しく聞いたりすることができます。スクールを受講した場合のイメージを深められる良い機会です。

受講した後に「思っていたのと違った」とならないよう、無料体験を受けて、本当に自分に合ったスクールかをよく確かめてから、受講の是非を判断しましょう

カモにされないおすすめのプログラミングスクール5選

以下では、カモにされる心配の少ない優良なプログラミングスクールを5つ紹介します。これらのスクールを利用し、積極的な姿勢で学習に励めば、エンジニア転職の成功がグッと近づくでしょう。

1. CODE×CODE

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出典:CODE×CODE公式サイト

CODE×CODEは、未経験から最短2ヶ月でインフラエンジニアを目指せるプログラミングスクールです。学習サポートとキャリアサポートの両方が充実しており、カモになってしまう心配はまずありません。

学習サポートでは、学習スケジュールの管理からチャットでの質問対応、週に1回のメンタリングまで、手厚い支援を受けられます。どうやって学習を進めれば良いかがはっきりしており、疑問や不安をすぐに相談できる体制も整っているため、プログラミング学習の経験がなくても安心です。

キャリアサポートでは、カウンセリングおよび企業の紹介から、書類添削、面接対策に至るまで、一貫した転職支援をしてもらえます。加えて、社会人に必要な素養を身につけられるビジネスマナー・マインド講座もあり、万全の準備をしたうえで転職活動に臨めます。

さらに料金が228,000円、分割払いで月8,000円〜とリーズナブルなことも魅力です。そのほか、インフラエンジニアに役立つ資格の取得率が97%と非常に高く、プログラミング関連の資格を取りたい人にも向いています。

2. SAMURAI ENGINEER

SAMURAI ENGINEEの転職保証コースでは、16週間もしくは24週間でインフラエンジニアへの転職が目指せます。プロのキャリアアドバイザーの転職支援が受けられ、これまでに大半の受講生がエンジニア転職を実現しているため、こちらもカモにされる心配が少ないです。

また料金は473,000円〜とやや高めといえますが、このスクールには「全額返金保証」という制度があります。万が一内定を得られなかった場合、所定の条件を満たせば受講料が返金されるので、「カモにされた(お金が無駄になった)」と後悔することはまずないでしょう。

3. Raise Tech

Raise Techは「最速で『稼げる』プロになる」をコンセプトにしたプログラミングスクールです。現場でも活躍するエンジニア講師から、実践的な知識やスキルが学べます

開発系エンジニアを目指すコースと、インフラエンジニアになるためのコースがともに展開されており、幅広い人におすすめです。そのほか、人気の転職サービスとコラボしたユニークな転職支援も用意されており、総合的に質が高いといえます。

4. UZUZ COLLEGE

UZUZ COLLEGEは、自分のペースで学べる「eラーニング型」のプログラミングスクールです。動画の教材を使って学ぶことから、仕事を続けながらゆるやかな速度で学習を進めていくこともできます。

学習期間中はそれぞれに担任講師がつき、いつでも質問ができるので安心です。また学習後は、系列の転職エージェントによって、手厚いキャリアサポートが提供されます

5. DMM WEBCAMP

DMM WEBCAMP エンジニア転職は、短期集中型の勉強を行い、最短3ヶ月でエンジニアを目指せるプログラミングスクールです。多くの現役エンジニアから評価されているスクールなので、こちらもカモにされる心配は少ないといえます。

また最新技術をふんだんに学べる専門技術コースは、教育訓練給付金の対象講座です。本来910,800円のところ、国からの給付により、実質350,800円で受講することができます

カモにされないためには積極的な姿勢とスクール選びが大切!

プログラミングスクールのカモになってしまう理由としては、主に「受講者が受け身のスタンスで学んでしまうこと」と「スクール自体の質が低いこと」が挙げられます。つまり、高い学習意欲を持ち、優良なスクールを選べば、カモにされる可能性はかなり低くなるということです。

なお、プログラミングスクールを選ぶ際は、1社だけ見て決めるのではなく、必ず複数のスクールを比較・検討するようにしてください。また無料体験も受けてみて、自らの目で耳で、自分に合っているかを判断するのが良いでしょう。

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