前回は、変数を足し算するということをやってきましたが、足し算以外にも色々な演算をすることができます。その演算のために使う記号のことを演算子と呼びます。
算術演算子
数値(整数、少数)の計算をする際に使います。
演算子 | 利用例 | 意味 |
+ | a + b | aとbを足し算 |
– | a – b | aとbを引き算 |
* | a * b | aとbを掛け算 |
/ | a / b | aとbを割り算 |
% | a % b | aとbを割り算した余り |
整数同士を割り算した場合、計算結果は整数となるため、割り切れなかった場合は余り部分が切り落としになります。
fun main(args : Array<String>){
val a = 10
val b = 3
println(a / b)
}
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実行結果
3
変数のどちらか片方、もしくは両方を少数型にすることで 余り部分も結果として取得できます。
fun main(args : Array<String>){
val a = 10.0
val b = 3
println(a / b)
}
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実行結果
3.3333333333333335
文字列連結演算子
文字列を繋げる時に使う演算子です。
演算子 | 利用例 | 意味 |
+ | a + b | a + bの文字列を連結 |
fun main(args : Array<String>){
val a = “こんにちは。”
val b = “いい天気ですね。”
println(a + b)
}
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実行結果
こんにちは。いい天気ですね。
代入演算子
計算した結果を再度同じ変数に代入する時に使います。
演算子 | 利用例 | 意味 |
+= | a += b | a + bの値をaに代入(a = a + b) |
-= | a -= b | a – bの値をaに代入(a = a – b) |
*= | a *= b | a * bの値をaに代入 (a = a * b) |
/= | a /= b | a / bの値をaに代入(a = a / b) |
%= | a %= b | a / bの余りをaに代入(a = a % b) |
変数の値が入れ替わるため、変数は「var」で宣言する必要があることに注意してください。
fun main(args : Array<String>){
var a = 5
val b = 3
a += b
println(a)
}
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実行結果
8
インクリメント/デクリメント演算子
変数の値を1増やす、1減らす時に使います。
1増やすことをインクリメント、1減らすことをデクリメントと呼びます。
代入演算子同様、変数の値が入れ替わるので変数は「var」で宣言するようにしてください。
演算子 | 利用例 | 意味 |
++ | a ++ | aに1を加算(a = a + 1) |
++ | ++ a | aに1を加算 (a = a + 1) |
— | a — | aから1を減算 (a = a – 1) |
— | — a | aから1を減算 (a = a – 1) |
何らかの処理と同時に使う場合、「++」「–」を変数の前に記述するか、変数の後に記述するかで、挙動が変わります。
変数の前に記述 ⇒ 計算してから処理する(前置)
変数の後に記述 ⇒ 処理してから計算する(後置)
下記は前置の例で、+1してから出力の処理をします。
fun main(args : Array<String>){
var a = 2
println(++ a)
println(a)
}
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実行結果
3
3
下記は後置の例で、出力の処理をしてから+1していることがわかります。
fun main(args : Array<String>){
var a = 2
println(a ++)
println(a)
}
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実行結果
2
3
比較演算子
左辺と右辺を比較した結果を得る場合に使います。
演算子 | 利用例 | 意味 |
== | a == b | aとbは等しい |
!= | a != b | aとbは等しくない |
> | a > b | aはbより大きい |
>= | a >= b | aはb以上 |
< | a < b | aはbより小さい(未満) |
<= | a <= b | aはb以下 |
比較演算子は、比較した内容が成立する場合、true(真)、成立しなかった場合はfalse(偽)という結果を得ることができます。通常は次回以降で学ぶ「制御構文」と組み合わせて使います。
fun main(args : Array<String>){
val a = 7
val b = 5
println(a > b)
}
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実行結果
true
下記は、文字列と整数を比較している例ですが、 異なる型同士を比較することはできないのでエラーになります。
fun main(args : Array<String>){
val a = “5”
val b = 5
println(a == b)
}
コメント
コメントは、プログラムの中にメモ書きをするときに使います。
コメント専用の記号を使って、プログラムとして認識されないようにします。
「//」は、「//」を記述したところから後ろ1行分が有効になります。
fun main(args : Array<String>){
// ここはコメントです
ここはコメントになりません //
}
また、複数行をコメントする場合は「/* */」で囲みます。
fun main(args : Array<String>){
/*
ここはコメントです
ここもコメントです
ここもコメントです
*/
}
コメントはメモ書き以外にも、プログラムを一時的に実行させたくない場合にも使用します。
fun main(args : Array<String>){
var x = 3
// コメントしたプログラムは実行されません
// x = 5
println(x)
}
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実行結果
3
次回は、複数のデータを纏めることができる「配列」について学んでいきたいと思います。